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gnuのsh-utils付属のsttyコマンドのマニュアル。
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stty(1) stty(1)
名前
stty - 端末ラインの設定を変更・表示する
書式
説明
引 き 数 無 し で 実行された場合、 stty は転送レート (baud
rate)、ライン制御番号 (line discipline number: サポート さ
れているシステムの場合)、および `stty sane' の設定から変更
された行設定 (line settings) を表示する。デフォルトで は、
モードの取得と設定は標準入力に接続されている端末に対して行
われる (しかし --file も見よ)。
stty は以下をオプション以外の引き数とみなし、対応する端 末
制 御 を変更する。機能の前の [-] は、 `-' を前置することに
よってその機能を無効にできることを意味している。一部の引き
数 は POSIX 準拠でない拡張機能を利用しているので、すべての
システムで有効とは限らない。このような引き数には `(np)' と
いう印を付けてある。
コントロールの設定
[-]parenb
出 力にパリティビット (parity bit) を付加し、入力に
もパリティビットがあるものとする。
[-]parodd
奇数パリティに設定する (- がつくと偶数)。
cs5 cs6 cs7 cs8
文字のサイズをそれぞれ 5, 6, 7, 8 ビットに 設 定 す
る。
[-]hupcl [-]hup
tty の最後のプロセスが終了したら hangup シグナルを
送る。
[-]cstopb
文字あたり二つのストップビットを用いる (`-' がつ く
と一つ)。
[-]cread
入力の受信を許可する。
[-]clocal
モデムのコントロール信号を無効にする。
[-]crtscts (np)
RTS/CTS によるハンドシェークを有効にする。
入力の設定
[-]ignbrk
ブレーク (break) 文字を無視する。
[-]brkint
ブレークによって割り込みシグナルを発生する。
[-]ignpar
パリティエラーの起こった文字を無視する。
[-]parmrk
パ リティエラーをマークする (255-0 の文字配列を用い
る)。
[-]inpck
入力のパリティチェック機能を有効にする。
[-]istrip
入力文字の高位ビット (8 番目のビット) をク リ ア す
る。
[-]inlcr
改 行 (newline) 文字を復帰 (carriage return) 文字に
変換する。
[-]igncr
復帰文字を無視する
[-]icrnl
復帰文字を改行文字に変換する
[-]ixon
XON/XOFF によるフローコントロールを有効にする。
[-]ixoff [-]tandem
システムの入力バッファが一杯になりかけたと き stop
文字を送り、再び空になりかけたときに start 文字を送
る機能を有効にする。
[-]iuclc (np)
大文字を小文字に変換する。
[-]ixany (np)
どの文字でも出力を再開できるようにする (`-ixany' で
start 文字のみになる)
[-]imaxbel (np)
入 力バッファが一杯なのに文字が入力されたときには、
ビープ音を発生して入力バッファをフラッシュしない よ
うにする。
出力の設定
[-]opost
プロセス終了後に出力。
[-]olcuc (np)
小文字を大文字に変換。
[-]ocrnl (np)
復 帰文字 (carriage return) を改行 (newline) 文字に
変換。
[-]onlcr (np)
改行を復帰+改行に変換。
[-]onocr (np)
最初の桁の改行文字を出力しない。
[-]onlret (np)
改行文字によって復帰動作を行う。
[-]ofill (np)
遅延のタイミング動作に fill (文字埋め) 文字を 用 い
る。
[-]ofdel (np)
fill 動作にヌル文字でなく delete 文字を用いる。
nl1 nl0 (np)
改行の遅延形式。
cr3 cr2 cr1 cr0 (np)
復帰の遅延形式。
tab3 tab2 tab1 tab0 (np)
水平タブの遅延形式。
bs1 bs0 (np)
バックスペースの遅延形式。
vt1 vt0 (np)
垂直タブの遅延形式。
ff1 ff0 (np)
改ページ (form feed) の遅延形式。
ローカルな設定
[-]isig
interrupt, quit, suspend 各特殊文字を有効にする。
[-]icanon
erase, kill, werase, rprnt 各特殊文字を有効にする。
[-]iexten
POSIX 準拠でない特殊文字を有効にする。
[-]echo
入力文字をエコーする。
[-]echoe, [-]crterase
erase 文字をバックスペース+空白+バックスペースと し
てエコーする。
[-]echok
kill 文字の後に newline 文字をエコーする。
[-]echonl
他 の 文字がエコーされない場合でも newline だけをエ
コーする。
[-]noflsh
interrupt および quit 特殊文字の後にフラッシュを 行
わない。
[-]xcase (np)
icanon が設定されている場合、入出力の大文字を対応す
る小文字に `\' を前置して表示可能にする。
[-]tostop (np)
端末に出力しようとしたバックグラウンドジョブを停 止
する。
[-]echoprt [-]prterase (np)
消 去された文字を '\' と `/' に挟んで後方にエコーす
る。
[-]echoctl [-]ctlecho (np)
コントロール文字を文字どおりに出力する代わりに ハッ
ト表示 (`^c') する。
[-]echoke [-]crtkill (np)
kill 文字のエコーを、(echoctl と echok 設定の代わり
に) echoprt と echoe 設定で指定された方法でライ ン
を消去することによって行う。
設定の組み合わせ
[-]evenp [-]parity
-parodd cs7 と同じ。 `-' が付いた場合は -parenb cs8
と同じ。
[-]oddp
-icrnl -onlcr と同じ。 `-' が付いた場 合 は -inlcr
-igncr onlcr -ocrnl -onlret と同じ。
[-]nl -icrnl -onlcr と同じ。 `-' が付いた場合は -inlcr
-igncr onlcr -ocrnl -onlret と同じ。 erase と kill
の特殊文字をデフォルトの値に戻す。
sane cread -ignbrk brkint -inlcr -igncr icrnl -ixoff
-iuclc -ixany imaxbel opost -olcuc -ocrnl onlcr
-onocr -onlret -ofill -ofdel nl0 cr0 tab0 bs0 vt0
ff0 isig icanon iexten echo echoe echok -echonl
-noflsh -xcase -tostop -echoprt echoctl echoke と同
じ。また同時にすべての特殊文字をデフォルトの値に 戻
す。
[-]cooked
brkint ignpar istrip icrnl ixon opost isig icanon
に加え、 eof と eol 文字が min および time 文字と同
じ になっている場合はこれらをデフォルトの値に戻す。
`-' が付いた場合は raw と同じ。
[-]raw -ignbrk -brkint -ignpar -parmrk -inpck -istrip
-inlcr -igncr -icrnl -ixon -ixoff -iuclc -ixany
-imaxbel -opost -isig -icanon -xcase min 1 time 0
と同じ。 `-' が付いた場合は cooked と同じ。
[-]cbreak
-icanon と同じ。
[-]pass8
-parenb -istrip cs8 と同じ。 `-' が付いた場合は
parenb istrip cs7 と同じ。
[-]litout
-parenb -istrip -opost cs8 と同じ。 `-' が付いた 場
合は parenb istrip opost cs7 と同じ。
[-]decctlq (np)
-ixany と同じ。
[-]tabs (np)
tab0 と同じ。 `-' が付いた場合は tab3 と同じ。
[-]lcase [-]LCASE (np)
xcase iuclc olcuc と同じ。
crt echoe echoctl echoke と同じ。
dec echoe echoctl echoke -ixany に加え、 interrupt 特殊
文字を Ctrl-C に、 erase を Del に、 kill を Ctrl-U
に設定する。
特殊文字
特殊文字のデフォルト値はシステムによってまったく異なる。こ
れらは `name value' といった書式で指定される。 name には以
下 のリストのどれかを指定する。 value には、文字そのまま、
ハット表示 (`^c')、あるいは数値 (`0x' ではじまる場合は 16
進、`0' は 8 進、その他は 10 進) による指定ができる。 `^-'
または `undef' を value に与えた場合には、その特殊文字は無
効になる。
intr 割り込み (interrupt) シグナルを送る。
quit 終了 (quit) シグナルを送る。
erase 最後にタイプされた文字を消去する。
kill 現在の行を消去する。
eof ファイル終了 (end of file) を知らせる (入力を終了す
る)。
eol 行末 (end of the line)。
eol2 (np)
行末を表す別の文字
swtch (np)
別のシェル層 (shell layer) にスイッチする。
start 停止している出力を再開する。
stop 出力を停止する。
susp 端末に停止 (stop) シグナルを送る。
dsusp (np)
入力をフラッシュしてから端末に停止 (stop) シグナ ル
を送る。
rprnt (np)
現在の行を再表示する。
werase (np)
最後にタイプされた単語 (word) を消去する。
lnext (np)
次 にタイプされる文字を (特殊文字であっても) そのま
まの文字として受け取る。
特殊な設定
-icanon が設定されているとき、制限時間中で読み込み成功とみ
なされる文字数の最小値を設定する。
time N -icanon が設定されているとき、最小文字数が読み込ま
れなかった場合に読み込みが時間切れになるまでの時 間
を 10 秒単位で設定する。
ispeed N
入力の速度を N に設定する。
ospeed N
出力の速度を N に設定する。
rows N (np)
カーネルに端末が N 行であることを伝える。
cols N columns N (np)
カーネルに端末が N 桁であることを伝える。
size (np)
カー ネルが保持している端末の行数および桁数を表示す
る (行・桁をカーネルでサポートしていないシステム で
は、 代わりに LINES および COLUMNS 環境変数が良く用
いられる。しかし GNU stty はこれらを全く参 照 し な
い)。
line N (np)
ライン制御番号 (line discipline) の N を用いる。
speed 端末の速度を表示する。
N 入出力の速度を N に設定する。 N は以下の数値のうち
のどれか: 0 50 75 110 134 134.5 150 200 300 600
1200 1800 2400 4800 9600 19200 38400 exta extb。
exta は 19200 と同じ。 extb は 38400 と同じ。 0 は
-clocal が設定されている場合には回線を切断する。
オプション
-a, --all
現 在のすべての設定を人間に読める形式で出力する。こ
のオプションは設定指示と組み合わせて使うことはで き
ない。
-g, --save
現 在のすべての設定を、別の stty に引き数として渡せ
る形式で出力する。これは現在の設定を保存して再利 用
するために用いる。
-F DEVICE, --file=DEVICE
モー ドの読み込みや設定を、標準入力に接続されている
端末でなく DEVICE に対して行う。
デバイスで clocal が設定されていないときにシェル が
そのデバイスを (< /dev/ttyS1 のように) オープンしよ
うとしたときには、 clocal が再設定されるまでその 操
作はブロックされるように POSIX では要求している。な
ぜかというと、シェルは stty --file とは異なり、デバ
イスを O_NONBLOCK で開くことはできないからである。
--help 標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了す
る。
--version
標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。
注意
プログラムのバグについては bug-sh-utils@gnu.org に報告して
く だ さ い。 ページの更新は Ragnar Hojland Espinosa が行っています。
GNU Shell Utilities 2.0 18 August 1999 stty(1)